指令員

瞬時の判断が数万人の日常を紡ぐ。
 重責を担うプロフェッショナル。

総合指令所/2009年度入社

24時間体制で動く鉄道運行の“心臓部”

総合指令所の仕事は、列車の運行状況や、運行に関する機器の動作、設備の電力状態などを常に監視し、安全・安定輸送を支えることです。事故や災害等でダイヤが乱れれば、関係各所への復旧作業の指示など、早急に正常なダイヤに戻すための対応を行いつつ、遅延情報や運転再開見込みなどの情報を迅速に発信します。常に先の状況を想定しながら指示を出す、まさしく鉄道運行の心臓部といえる部所です。

当社の総合指令所では、2人の当務者が休憩を挟みながら24時間体制で業務にあたっています。2人がそれぞれ運輸指令と電力指令という役割を担当しています。運輸指令というのは列車の運行を管理する指令員で、電力指令とは電気の流れを監視する指令員です。そのほか、お客さまからの問い合わせなどにも対応しています。

ダイヤ乱れが発生した際、ダイヤ管理ができなければ、5分の遅れが10分、15分と拡大してお客さまに多大な迷惑をかけてしまう可能性もあります。運転士に指示を出す際も、言葉選び一つで伝わり方が変わってしまうこともあるので、難しさを感じつつも慎重に仕事に向き合っています。

以前、強風で沿線の木が倒れ、長時間に渡って運転を見合わせてしまったことがありました。早期の復旧に向けどう動くべきか非常に難しいところがありました。何事もなく一日の運行を終わられることが一番ですが、やはり小さなトラブルでダイヤ乱れとなることがあります。そんなときでも、迅速に対応し通常のダイヤ状態に戻し、お客さまへの影響を最小限にできたときは達成感を感じています。指令員はお客さまの命を預かる責任の重い仕事ですが、その分、大きなやりがいがあります。

仕事のオン・オフを切り替えるのはなかなか難しいのですが、休みの日は子どもたちと遊んでいると気持ちが和らいで、自然にオフに切り替わっている気がします。

地域に貢献できる仕事がしたい

私は普通高校の出身で、鉄道が特別好きというわけではありませんでしたが、鉄道関係の仕事をしている親族の姿を見て、鉄道の仕事に自然と興味が芽生えました。実家が埼玉にあり、高校で部活動の遠征等に行く際にニューシャトルを利用していたこともあり、新交通システムにも興味を持ち、地域に貢献できる仕事がしたいと埼玉新都市交通に入社しました。

2009年の入社後、最初は営業係として大宮駅に配属され、2011年からは運転士になりました。指令業務に興味を持ったのは、当時の訓練でのエピソードがきっかけです。営業車と保守用車が協調して運転する訓練を行っていたのですが、指令・運転・車両・設備の各部門の社員が集結し、安全項目や技術的課題への対応などさまざまな意見が飛び交う中、指令所が意見を取りまとめて陣頭指揮を執っているところが強く印象に残りました。そして、私自身も運行に関することをもっと知りたいと思うようになり、指令所への異動を希望しました。

駅員と運転士という経歴ですが、電力指令には電力系統の知識が必要になるので、電力系統を担う部署で定期的に開かれる講習会に参加し、今も学ばせてもらっています。簡単な内容ではないので、勉強の積み重ねが重要だという想いを日々強くしています。

大きな会社でないからこそ、常に新たな挑戦ができる

鉄道業界ではさまざまな部署との連携によって、安全・安定輸送を実現しています。そのため、常日頃から社員同士のコミュニケーションを大切にしており、公私にかかわらず先輩や上司と気軽にいろいろなことを話せる楽しい職場だと感じています。

当社は決して規模の大きな会社ではありません。しかし、だからこそ一人ひとりがさまざまな業務経験を積むことができ、多種多様な意見や知見を得ることができることから、常に新しいことにチャレンジしやすい環境となっています。まさに私が指令業務に興味を持ってチャレンジした際も、会社が応援してくれて機会を与えてくれました。積極的に挑戦させてくれる環境に感謝しています。 

私は指令員として5年目になりますが、駅の業務も以前とは大分変わっているので、また学び直したいという思いもあります。現在は社内の運転諸規則に則り、運行を司る業務を担っています。今後も引き続き指令所で経験を積みながら、運転に関する諸規則の策定や、さらなる安全に向けた各種規程の再構築などを検討する仕事に携わるべく、目下勉強を続けています。