技術主任
新天地で掴んだ工事設計の夢。
鉄道インフラの未来を自らの手で築く。
30歳目前で転職を決意
土木系の専門学校を卒業後、埼玉県内の建設コンサルタントで測量業務に携わり、2009年に技術職として埼玉新都市交通に入社しました。私の所属する設備管理所・施設グループの主な仕事は、橋りょうなどの土木設備の点検や修繕です。実際の作業は外部の会社に発注するケースが多いのですが、車両が走る走行路や分岐器、走行路の左右にある壁に設置した案内軌条(案内レール)の点検など、比較的簡単な作業は自分たちが直接担当することもあります。前職は自治体などからの発注を受けて作業する仕事でしたが、新卒当時から工事設計・発注の仕事をしたいという思いがあり、その思いを諦めきれずに当時30歳を目前にして転職を決意しました。
施設グループは3人で日勤・夜勤・非番を担当しているため、グループ内のメンバー全員と会う機会は月数回しかありません。グループ内の連絡事項や引継ぎはメールが主体です。出社したらまず、前日の担当者からの報告メールをチェックして、日中は工事の現場確認に行ったり、外部の会社に工事を発注するための書類や報告書を作ったりします。同じ工事会社に発注することが多いので、「今こういうことで困っているのですが、どうしたらいいですか」など、日頃から電話での会話やメールなどで情報交換を密にしてコミュニケーションを図り、スムーズに工事を進められるよう心掛けています。
昼間の仕事が約6割、夜間の仕事が約4割で、なおかつ事故や自然災害でニューシャトルが止まってしまったときは、それが解消するまで帰れないという一面はありますが、休みについては比較的取りやすい部署だと思います。休みの日は家族との時間を大切にしていて、妻や子どもたちと買い物や公園に出掛けることを楽しみにしています。
沿線の方の生活を支える責任感ある仕事
鉄道業界の仕事については何もわからないまま入社したのですが、最初は一日で終わる小規模工事を経験し、数年経ってからは規模の大きい工事を担当することになりました。他の事業者や自治体などと協議を進め、その工事を計画通りに無事故で完遂できたときは大きな成長を感じました。
ニューシャトルは主に沿線の方が通勤・通学で使ってくださり、皆さまに乗っていただいてこそ今の会社があると思っています。お客さまの日々の生活を支えているので、安全・安定輸送を第一に、事故を起こしてはいけないという責任の重さを感じながらも、やりがいを実感しています。また、自分で工事を発注して、それを無事故かつ工期内に終えることができたときや、やったことのない工法を試してみてうまくいったときにも満足感や充実感を感じます。そういったことにやりがいを見出だせる方は、ぜひこの仕事に挑戦してみてほしいですね。
特別な資格がなくても仕事をすることはできますが、持っているに越したことはありません。私はこの会社に入ってから一級土木施工管理技士の資格を取得しました。難しい資格ですが、社内でもこの資格の取得が一つの目標になっていることもあり、日々勉強を積み重ねて約5年かけて取ることができました。
地味な仕事でも、しっかりと評価してくれる人がいる
2024年から「優良社員表彰」という制度が始まったのですが、その初めての受賞者の一人に選んでいただきました。鉄道会社の仕事というと運転士や駅員が花形で目立ちますが、私は入社してから15年間、技術職として軌道・土木・建築の仕事に従事してきました。日々の安全・安定輸送を支える大事な仕事とはいえ、パッと見では分かりづらい地味な仕事です。
他の社員の目に触れる機会も少ないので、このような表彰には縁がないと思っていたのですが、表彰の知らせを受けて、これまでの仕事が認められた嬉しさがありました。技術職の仕事をしっかりと見てくれた人たちがいて、今までやってきたことは間違っていなかったと、今後の励みになりましたね。日々の仕事を一つひとつ丁寧にやっていたことを評価していただけたのかなと思います。技術職は定着率が一つの課題になっているので、今後は私自身の勉強のためにも、若手の教育に力を入れていきたいと思っています。